ソマノベース

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大谷 栄徳

株式会社中川/樹木医

林業・木材業界の一年の振り返り
1 森林環境譲与税が始まった2019年
2 伐倒練習機が欲しい!と思った2019年
3 自由になった!と思った2019年

2019.12.29  

1.森林環境譲与税が始まった2019年

森林環境譲与税って知ってますか?

 林業業界では当たり前の話題なんですが・・・・

 2024年度から森林環境税として、国民1人あたり年額1,000円が徴税されます。

 この森林環境税は、交付税及び譲与税配付金特別会計に納められた後、森林環境譲与税として全国の地方自治体に交付され、間伐などの森林整備や木材利用の促進などに使用されます。

 森林環境税の徴税は2024年度からですが、森林環境譲与税は先行して、2019年度からスタートしました。

 森林環境譲与税は、全国一律に同額が交付されるものではなく、林業就業者数や人口、私有林人工林面積に基づき、交付金額が決まるため、地方自治体によって、交付金額が異なります。

 今年一年、特に、各市町村におかれては、森林環境譲与税の使い方に議論を重ねる1年だったのではないかと思います。

 どこを森林整備すべきか。
 どのような場面で木材利用を拡大すべきか。
 どのようにして、林業の担い手を確保すべきか。
などなど・・・


 都道府県の様に、林業に特化した職員を採用していない市町村におかれては、頭を抱えられたのではないかなー、と思います。

 逆に、交付金額が少ない市町村は、繰り越すという選択をされた市町村もあったと思います。

 森林環境税と森林環境譲与税・・・・そんな難しい話よりも、僕が申し上げたいことは・・・

「林務行政を担当された市町村職員の皆様。今年一年、お疲れ様でした!」

 森林環境譲与税をどのように使うのか?
 こんなことに使えないのか?
 こんなことに使うべきじゃないか!

 このような内容の問い合わせが、色々な立場の方からあり、対応されたのではないでしょうか。

 また、新しい取り組みに向けて、各方面に走り回ったのではないでしょうか。

 ホント、お疲れ様でした。

 そして、ありがとうございました。

 さて、林業業界では、森林環境譲与税なんて、当たり前の話ですが、他業界ではどうでしょう?

 林業業界と同じく、当たり前の話題なのでしょうか?
 そもそも、ご存じないのでしょうか?

 森林整備を進める。
 木材利用を進める。
 林業の担い手を育てる。

 こうした取り組みは、以前から取り組まれていますし、現在も取り組んでいます。

 そして、森林環境譲与税の財源は、国民のさらなる負担によるものです。

 仮に、今までと同じ取り組みやその延長線上の取り組みを続けたとしても、これまでと違う成果を、見える形に示していくことが、林業業界の責任ではないかと考えています。

 そのためには、他業界との繋がりを築き、それぞれの分野における知恵や技術を取り入れていくことが、重要になるのではないかと思います。

 と言うわけで、今年スタートした「ソマノベース」の役割は、2020年から、ますます重要になると思います。

 

2.伐倒練習機が欲しい!と思った1年

 山と同じ条件下で、木の伐倒練習が出来る伐倒練習機「Felling Trainer MTW-01」が、全国に先駆けて和歌山県が導入しました。

 そして、2019年7月。

 この伐倒練習機を使用した研修会が和歌山県で開催され、それに参加し、改めて、自分の中にある安全意識の低さに気づかされ、一層、気を引き締めるきっかけになりました。



 とても高額な機械なので、個人で購入できる代物ではありませんが、作業斜面を0~25度まで調整できるため、山と同じ斜面という状況で、丸太があれば練習できるこの機械の魅力に惹かれました。

 今までは、伐倒の練習をするためには、木を伐倒しないといけないという矛盾がありました。

 でも、この伐倒練習機があれば、直径10cm~35cmの丸太を用意すれば、伐倒の練習を何度も行うことが出来ます。

 もちろん、素人の方や初心者の方でも、簡単に練習できますし、山の中で練習するよりも安全です。

 和歌山県に導入された伐倒練習機。

 有料ですが、レンタル可能です。ただし、平日に限る上、利用時間の制限があります。

 この伐倒練習機は、木の伐倒練習だけではなく、チェーンソーアートするときにも使えるので、好きなときに好きなだけ使いたいですね。

 仕事が休みの土日とか、雨の日とか、急にキャンセルになった日とか、仕事終わりの夜とか、色々考えると、ワクワクします。

 プライベート用の伐倒練習機が欲しいと、マジで思う一年でした。

 「伐倒練習機ミニ」とか販売されないかなー

 

3.自由になった!と思った2019年

 2019年3月、これまで10年間勤めた和歌山県庁(林学職)を退職し、同年4月、造林と育林を主に取り組む株式会社中川(和歌山県田辺市)へ転職しました。

 公務員という職業は、収入は安定しているし、福利厚生や有給休暇も充実しています。

 しかし、樹木医や森林インストラクターなどの資格を生かそうと思っても、ある程度の制限があり、決して、自由な活動が出来たわけではありません。

 「和歌山県の林学職員が、こんなことを言っていた。」

 こんな風に言われてはいけないと、自ら戒めていました。

 樹木や森林の科学的な根拠を基に、本音のお話をしたくても、常に自分自身の中で、ブレーキをかけたり、アクセルを緩めたり、力を十分に発揮できないことにジレンマを感じていました。

 そして、念願の退職(笑)。

 自分自身で責任を持たないといけませんが、何とも言えない開放感が心を満たしました。

 思いっきり、自由だー!と感じたくて、2019年4月から、森林や林業をテーマにしたラジオ番組のパーソナリティに取り組みました。

 森林や林業で活躍している方、熱い想いを持っている方、業界は違うけど関心のある方など色々な方達を、ラジオという形で、紹介したり、応援したいと思って、今、取り組んでいます。

 良かったら、一度、聴いてみて下さい。

 ▶ 樹木医が贈る「森林!林業!熱烈アゲアゲトーク!!」

 また、これからの林業や森林づくりに必要な樹木や森林の基礎知識を広めていくことを目的に、基礎知識と現場で起こっている現象を組み合わせた講座にも取り組もうと思い、色々な地域に提案させていただき、少しずつですが、講座の依頼もいただける様になりました。

 樹木医として林業に関わり、今年で12年。

 樹木の診断は徹底的な樹木の観察により行われます。

 そして、樹木を観察することで、樹木の集団である森林を、どのような方法で森林づくりを進めていくべきか、ということも見えてきます。

 樹木医はこれまで、巨樹や巨木などの天然記念物、街路樹や公園の緑化木、造園という分野で活躍していますが、これからは、林業という分野でも活躍できる可能性を十分に秘めていると思います。

 2019年は、林業に特化した樹木医としての一歩を踏み出した1年でしたので、2020年もラジオと講座を柱に、さらに1歩2歩と歩みを深めて、森林・林業の貢献していきたいと思います。 

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