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阪東 亮

株式会社フォレストメイク 代表取締役

林業の働き方改革について考えるvol.1

1はじめに
2働き方改革とは
3林業の働き方改革(当社)
4働き方のメリット&デメリット
5最後に

2019.12.14  

株式会社フォレストメイクの阪東と申します。

初めての記事は『林業の働き方改革』について書いていきたいとおもいます。よろしくお願いいたします。

先に当社の『働き方改革』について紹介しておきます。

『10ヶ月働いて、2ヶ月休む』

なぜこの様な働き方をするかというと新潟県は豪雪地域だからです。
12月末になると積雪が始まり1,2月になると多いところで2m近く積もります。
この中で作業を行うと安全面、生産性、意欲の低下その他もろもろの低下につながります。はっきり言って良いことは1つもないとおもいます。
毎年この働き方ができているかというと答えは『NO』ですが、これに近いものは実行できています。

では、当社がその様な働き方をどの様に実現しているか取り組みをご紹介していきたいとおもいます。

働き方改革とは
さて、働き方改革という言葉を頻繁に聞くようになりました。
でも働き方改革ってなに?という方もいらっしゃると思うので、厚生労働省のHPから引用させていただきます。

《”「働き方改革」は、働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革です。

 日本が直面する「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」、「働き手のニーズの多様化」などの課題に対応するためには、投資やイノベーションによる生産性の向上や、就業機会の拡大、意欲・能力を存分に発揮できる環境をつくることが不可欠です。

 働く方の置かれた事情に応じて、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、成長と分配の好循環を構築し、働く人一人ひとりが、より良い将来の展望を持てるようにすることを目指します。”》

と、記述してあります。

”働き方を自分で選択し、生産性の向上及び能力・意欲を最大限に発揮できる環境作り。”

このような働き方ができれば雇用する側、される側共に良いことがありそうですね。

では、このような働き方を林業で取り入れることは可能なのか当社の取り組みも紹介しながら考えていきたいと思います。

当社の場合ですと冬季間は作業したくない(豪雪地域ですので...)ということから考えていきます。
林業の場合ですと一人作業が基本的には禁止なのでチーム、班で働き方を考えていきます。

林業の働き方改革

1,働き方を自分で選択する
当社を例にあげると...

新潟県は非常に雨が多い地域です。天気予報でアナウンサーの方が

”今日は全国的に晴れです。”

と言っても新潟の一部の地域では雨が降っていたりします。
そのくらい雨が多い県です。

では、本当にそうなのかと思い調べてみました。
下記URLが全国年間雨量です。
https://uub.jp/pdr/g/w_7a.html

思ったよりも年間の雨量は少ないですね。

そんなはずはないと思い、次は『年間曇りが多い県』で検索しました。
https://todo-ran.com/t/kiji/13632
少し古いデータですがほとんど、期待通り最後から2番目を記録しています。
大雨は降らないが小雨程度が多い感じです。

では、どのような取り組みをしているのかと言いますと

『雨の日は休む』

これです。もちろん作業内容によって作業する場合もありますが、基本的には休みます。
これを作業班長、作業員でLINEグループを作って前日又は当日の朝に判断します。
作業中にも容赦無く雨は降ってくるので下記のようなやりとりをします。



これが当社の働き方の選択です。

なぜ雨の日休みにするかというと当社は生産(搬出・利用)間伐を主に行っているので
作業道が雨の影響で崩れたり、滑って怪我の元になったりモチベーションの低下になるからです。

たまに雨が多いのに休んでばかりで平気なの?
日給月給だから休んだら給料減るじゃん!というご意見も。
それについてはまた別の記事で書いていきたいとおもいます。
(ちなみに当社は月給制です。)

2,労働生産性の向上
ここは難しいところだとおもいます。
僕自身も悩みました。

悩んだ末にでた取り組みは下記のとおりです。

1 1年の売上目標設定
2 現場単位の目標設定
3 1週間の目標設定
4 1日の目標設定

これです。

ちなみに当社は森林経営計画民有林造林補助事業に力を入れていますので、森林経営計画を策定すれば年間の事業量が大まかに計算できますし、補助金を使うので大まかな金額も計算できます。
これは補助事業の強みでもあります。

2-1,一年の売上の目標設定
当社では年度が始まる前にある程度の年間事業量を計算し、金額を算出します。
その金額を全員でシェアします。理由は責任を持ってもらうためでもあり、その目標を達成すれば冬季休暇に入るという意味でもあります。
※冬季休暇=2ヶ月休み

2-2,現場単位の目標設定
林業では主に生産性という言葉が使われます。
生産性とは

《”生産性とは、一般には経営資源投入量あたりの生産量のことです。
経営資源には、ヒト・モノ・カネ があり、ヒトという経営資源に着目した生産性が労働生産性です。 生産量を増大させるためには、一定の時間でより多くの素材を生産する必要があります。
林業では、人の作業が不可欠なため、人の作業時間あたりの素材生産量(=m3 /人日)が素材生産の効率性を表す指 標になります。1 人が 1 年間に働ける時間は決まっていますから、その限られた時間(人日)でより多 くの生産を行うことが生産量の向上にとって重要です。
労働生産性の向上は、事業体の経営と雇用の改善と関連性を持って図られるものです。その基礎になるのが、生産性の向上により経営と雇用の改善の好循環を目指すという経営理念です。このことが従業員に周知・浸透し、組織の中で、さらなる好循環を生むという正のスパイラル(生産性向上→組織の利 益→雇用改善→生産性向上)を生み出すことが、生産性向上の真の目的といえるでしょう。”》


こちらから参照させていただきました。
http://www.rinya.maff.go.jp/j/gyoumu/gijutu/attach/pdf/torikumi-11.pdf

ちなみに当社の生産間伐の生産性は
8〜12m3/人日くらいです。

(上記の数字は下記の計算より導いたものです。
m3/人日=総搬出材積/全体でかかった人数
例えば伐出業務が完了した結果、1000m3の木材が生産され、それにかかった人工数が100人工だったとすると生産性は10m3/人日となります。)


特にすごいわけでもなく平凡な数字です。

これで計算しても良いのですが、当社では年間売上目標を掲げています。

例えば年間売上目標が5000万円、冬季休暇を2ヶ月とします。
休暇が2ヶ月なので10ヶ月労働とします。
単純に計算すると1ヶ月あたり500万円売上なければなりません。
なので毎月500万円の仕事があれば良いのですが、そううまくもいきません。

なので事前に予測できる事業量を並べて、おおよその金額を下記図の様に当てはめていきます。



Aの現場は800万円なので1ヶ月半で完了すれば目標達成です。
これが現場単位の目標です。

ただここまで大まかな目標だとずれてきます。ここで週間目標をたてます。

2-3,一週間の目標設定
現場単位の目標ができたので上手くいくかというと上手くいきません。

ここで言う「上手くいかない」と言うのは、目標が大きすぎるので達成できないと言う意味です。なので、大きい目標を細分化し、小さい目標を積み上げて大きい目標を達成すると言うことです。

そこで当社では下記図の様に現場の図面をエリア分けします。

例えばAのエリアの支障木伐採、作業道開設、間伐、集材が4日かかったとします。
そうすると他のエリアもAエリアの日数を参考にし、大凡の日数が算出できます。そうなると
一週間の目標設定ができます。

2-4,1日の目標設定
朝のミーティングで一週間の目標設定からその日にやらなければならない仕事を決めます。

その日の目標を達成すれば、その日は作業終了となります。あとは疲れたら帰ります。
班員も1日の目標が設定させているので作業しやすく、終われば帰れるので自発的に効率の良い作業を心がけてくれます。
当然上手くいかない日もありますが、そこは慌てずにミーティングを繰り返し軌道修正していきます。


働き方改革のメリット&デメリット
当社の働き方のメリットは

1 目標があるのでだらけずに仕事ができる
2 目標さえクリアすれば休み
3 集中力が上がる
4 平均の現場作業時間が8時から14時30分なので渋滞に巻き込まれないで帰れる

まだまだ他にもあると思いますが想像してください。

デメリット1 近所の方にニートだと思われる(あまりにも早い時間に家にいたり,休みが多い時もあるので)

デメリットは冗談ですが、この働き方を始めてから仕事の本質について考えるようになりました。

最後に
国が言う働き改革に素直に頷き、従っただけでは全く意味がありません。
働き方改革とは個人、チーム、会社で考え実行し、結果を出すことに意味があります。

林業は嫌なところを見られがちですが、良いところも実は沢山あります。
林業の特性を活かして自分の働き方を見つけ、自分と会社が豊かになる様な環境を会社と共に構築できたら良い林業ライフをおくれると思います。

では、毎日の作業ご安全に。

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